ヤルキデナイズド

Unclassified Articles on Software and IT

Cintiq 13HD に最初から貼ってある液晶保護フィルムの交換についてサポートに聞いた

最近の Cintiq 13HD には最初から液晶保護フィルムが貼ってある(2013年秋ごろかららしい)。これに傷がついたらどうすればいいか、自分で交換できるのか、というか剥がせないっぽいけど上から他社の液晶保護フィルムを貼っていいのか、ワコムのサポートにメールで問い合わせてみた。

質問と回答

Q 液晶保護フィルムは自分で交換できるか?

A ユーザーが交換することはできない。

Q フィルムに傷がついたらどうするか?

A ワコムの修理センターに送付して修理対応。費用はその都度見積り。

Q 他社製の液晶保護フィルムを上から貼ってもいいか?

A 最初から貼ってあるフィルムは見やすさや書き心地を追求してある。上から他社製のフィルムを貼るとそれが損われることがある。そのため重ね貼りはおすすめしない。ただ、傷が気になるようなら他社製のフィルムを貼ることを検討してほしい。元々のフィルムは剥がさないほうがいい。

Cintiq は画面より芯のほうが柔らかい素材を使っているが、筆圧が強かったり、ペン先が片減りして尖っていたり、同じ箇所を集中的に描いたりすると傷がつきやすいので気をつけてほしい。

というわけで

修理対応だと面倒なので上から液晶保護フィルムを貼ることにした。買ったのはこれ。アンチグレアで見やすい。色味は多少変わるが気にしていない。表面がさらさらして書きやすい。そんなところ。

フィルム貼りは埃対策のため服を脱いで風呂場で行った。端を折って剥がしやすくしたセロハンテープを用意し、フィルム表面にくっつけて引っ張ったりしながら。知恵と気合いが試される。

13インチのフィルムを気泡なく貼るのはしんどいからしばらく交換したくない。

vagrant up すると .dev ローカルドメインを設定してくれる Landrush が便利な話

(2015年3月3日追記: .dev をローカルドメインに使うとゲスト上で gem コマンドが使えなくなる場合がある。 .test などを使うとよさそう)

Rack の世界には Pow というサーバがあって便利。何が便利かというと、ln -s ~/my-rack-app ~/.pow/my-rack-app こうやって Rack アプリへのシンボリックリンクを ~/.pow に入れるだけで、ブラウザで http://my-rack-app.dev にアクセスできるようになって、アクセスしたら自動で Rack サーバを立ち上げてくれる。

自動でローカルドメインをセットアップしてくれるのはすごい便利。 Vagrant でも Landrush というプラグインを使うとそういうことができる。インストールはこう:

vagrant plugin install landrush

Mac だとこれだけでよい。 Linux では設定が必要なので README 読んで。

インストールしたら Vagrantfile に設定を書く。

Vagrant.configure('2') do |c|
  ...

  if defined?(Landrush)
    c.landrush.enabled = true
  end
end

これで vagrant up すると一緒に DNS サーバが起動する。 myhostname.vagrant.dev にアクセスするとVMにリダイレクトされる。

Qiita の開発用サーバをローカルで立ち上げるときもこれを使っている。設定はこんな感じ:

Vagrant.configure('2') do |c|
 ...

  if defined?(Landrush)
    c.landrush.enabled = true
    c.vm.hostname = 'qiita.dev'
    c.landrush.tld = 'qiita.dev'
    c.landrush.guest_redirect_dns = false
  end
end

c.landrush.guest_redirect_dns = false を指定してる理由は忘れた。外すと動かなかった気がする。 c.landrush.tld = 'qiita.dev' を単純に = 'dev' にしない理由は Pow と共存させるため。ここに指定した TLD と同名のファイルが /etc/resolver 以下に生成される。その TLD を持つドメインにアクセスしたら、ファイル内で指定された DNS サーバがそれを処理する。という仕組みになっていて Pow は /etc/resolver/dev を使うので、バッティングを避けている。

これ便利なので使うとよい。

Mac がスリープから復帰したとき Vagrant を動かしっぱなしだったら通知するようにした

Vagrant を立ち上げたままのを忘れてバッテリーが減るの早いなーおかしいなーというのが何度かあったので、スリープから復帰したとき Vagrant が動いていたら通知を出すようにした。

まずスリープから復帰したタイミングで与えられたコマンドを実行する awakened というツールを書いた: https://github.com/uasi/awakened

awakened のインストール手順はこれ:

git clone https://github.com/uasi/awakened
cd awakened
make
cp awakened ~/bin

awakened は第1引数に実行ファイルへの絶対パスを取り、 Mac がスリープから復帰したらそれを実行する。第2引数以降は実行ファイルに渡される。

awakened /bin/sh ~/.awakenedrc

で、これを launchd でデーモン化した。以下の XML~/Library/LaunchAgents/org.exsen.awakened.plist に置いて launchctl load ~/Library/LaunchAgents/org.exsen.awakened.plist する。 XML に書いてあるいくつかのパスは自分の環境に合わせて書き換えてほしい。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE plist PUBLIC "-//Apple//DTD PLIST 1.0//EN" "http://www.apple.com/DTDs/PropertyList-1.0.dtd">
<plist version="1.0">
<dict>
        <key>Label</key>
        <string>org.exsen.awakened</string>
        <key>ProgramArguments</key>
        <array>
                <string>/Users/uasi/bin/awakened</string>
                <string>/bin/sh</string>
                <string>/Users/uasi/.awakenedrc</string>
        </array>
        <key>KeepAlive</key>
        <true/>
        <key>RunAtLoad</key>
        <true/>
</dict>
</plist>

launchd.plist では引数のメタキャラクタが展開されないので ~/.awakenedrc などと書かずに絶対パスで書く。詳しくは man launchd.plist を見る。

~/.awakenedrc には Vagrant が動いていたら通知するやつを書いた。ついでにスリープ復帰後に不安定になるアプリケーションを再起動するようにした。

# VBoxHeadless プロセスがいたら Vagrant が動いているはず
if pgrep -q VBoxHeadless; then
    osascript -e 'display notification "Vagrant is up and running." with title "awakened"'
fi

# Should I Sleep を再起動する
killall "Should I Sleep"
open -a "Should I Sleep"

快適になった。

Mac の CLIP STUDIO PAINT で Emacs ぽくカーソルを動かせるやつ書いた

CLIP STUDIO PAINT は独自のUIフレームワークを使っているので Ctrl-F,B でカーソルを前後に動かすとかそういうやつができない。ので KeyRemap4MacBook の設定を書いた。

以下の XML$HOME/Library/Application Support/KeyRemap4MacBook/private.xml に書く。で KeyRemap4MacBook の設定を開いて ReloadXML して設定を有効にする。テキストフィールドで Ctrl-F, Ctrl-B, Ctrl-N, Ctrl-P, Ctrl-A, Ctrl-E, Ctrl-K が使えるようになる。ただし Ctrl-A, Ctrl-E, Ctrl-K は、複数行にわたるテキストフィールド(テキストツールのボックスなど)では期待通りに動作しない。以上。

<?xml version="1.0"?>
<root>
  <appdef>
    <appname>CLIPSTUDIOPAINT</appname>
    <equal>jp.co.celsys.CLIPSTUDIOPAINT</equal>
  </appdef>

  <vkopenurldef>
    <name>KeyCode::VK_OPEN_URL_SHELL_CLIPSTUDIOPAINT_emulate_ctrl_k</name>
    <url type="shell">
      <![CDATA[
      /usr/bin/osascript \
      -e 'tell application "System Events"' \
      -e 'keystroke (ASCII character 31) using shift down' \
      -e 'keystroke "d" using control down' \
      -e 'end tell'
      ]]>
    </url>
  </vkopenurldef>

  <item>
    <name>My CLIP STUDIO PAINT Hacks</name>
    <appendix>Change Ctrl+N to Down Arrow</appendix>
    <appendix>Change Ctrl+P to Up Arrow</appendix>
    <appendix>Change Ctrl+F to Right Arrow</appendix>
    <appendix>Change Ctrl+B to Left Arrow</appendix>
    <appendix>Emulate Ctrl+A</appendix>
    <appendix>Emulate Ctrl+E</appendix>
    <appendix>Emulate Ctrl+K</appendix>
    <identifier>private.my_clipstudiopaint_hacks</identifer>
    <only>CLIPSTUDIOPAINT</only>
    <autogen>__KeyToKey__ KeyCode::N, VK_CONTROL | ModifierFlag::NONE, KeyCode::CURSOR_DOWN</autogen>
    <autogen>__KeyToKey__ KeyCode::P, VK_CONTROL | ModifierFlag::NONE, KeyCode::CURSOR_UP</autogen>
    <autogen>__KeyToKey__ KeyCode::F, VK_CONTROL | ModifierFlag::NONE, KeyCode::CURSOR_RIGHT</autogen>
    <autogen>__KeyToKey__ KeyCode::B, VK_CONTROL | ModifierFlag::NONE, KeyCode::CURSOR_LEFT</autogen>
    <autogen>__KeyToKey__ KeyCode::A, VK_CONTROL | ModifierFlag::NONE, KeyCode::CURSOR_UP</autogen>
    <autogen>__KeyToKey__ KeyCode::E, VK_CONTROL | ModifierFlag::NONE, KeyCode::CURSOR_DOWN</autogen>
    <autogen>__KeyToKey__ KeyCode::K, VK_CONTROL | ModifierFlag::NONE, KeyCode::VK_OPEN_URL_SHELL_CLIPSTUDIOPAINT_emulate_ctrl_k</autogen>
  </item>
</root>

MacBook で Adobe Creative Cloud が動いていたら今すぐ止めろ

追記: 2015年4月17日現在の最新バージョンである Creative Cloud 1.9.1.474 では以下の問題は解消されている。

マジで。メニューバーにこの8の字アイコンがあったら即座に終了しろ。常駐を止めても PhotoshopIllustrator の動作に影響はない。(追記: Typekit フォントを利用する場合は常駐させておく必要がある。 thx id:rinrinbell

f:id:uasi:20140524222144p:plain

こいつの平均エネルギー影響は、アプリケーションが何もしてないように見えるときでも20を超える。 YouTube の動画を再生している最中の Flash Player プラグインのエネルギー影響は12を前後するくらいだから、 Creative Cloud は起動しているだけで動画2本を再生するほどの電力を食っている計算になる。(2014年9月16日追記:バージョン1.7.1.418では平均エネルギー影響が7程度になった。これでもまだ大きすぎる。)

f:id:uasi:20140524221908p:plain

フル充電状態から普通にブラウジングなどしても8時間程度は持つ MacBook Pro 15″ Late 2013 のバッテリーが、 Creative Cloud を起動すると3時間半で食い潰される。

(筆者の環境:MacBook Pro Retina 15″ Late 2013、 Mac OS X 10.9.3、 Creative Cloud 1.5.0.367(2014年4月3日ごろアップデートしたもの)、ファイル同期機能オフ、 Photoshop インストール済)

13年10月末にこの問題が Adobe のフォーラムに報告され、同じ症状を訴えるユーザーが何人も声を上げたが、半年経っても修正される様子がない:Creative Cloud is always listed under "Apps Using Significant Energy" in OSX Mavericks

Adobe に期待は一切するな。 Creative Cloud を止めろ。今すぐだ。

止めるには Creative Cloud のアイコンをクリックし、ウィンドウ右上の歯車アイコンをクリックして「終了」。まれに「終了」が選択できない場合があるが、そのときはアプリケーションフォルダ内のユーティリティフォルダにあるアクティビティモニタを開き、 「エネルギー」タブで Creative Cloud を探して選択、アクティビティモニタのウィンドウ上部左端にある大きな×ボタンを押す。またログイン時に Creative Cloud が立ち上がるのを防ぐには、システム環境設定の「ユーザとグループ」で自分のアカウントを選択し、「ログイン項目」タブ内の一覧で Creative Cloud を選択して下のマイナスボタンを押す。

株式会社に入社しました

4月1日付けで株式会社に入社することとなりました。

株式会社とは“株式と呼ばれる細分化された社員権を有する有限責任の社員(株主)のみから成るもの”(Wikipedia より)のことで、入社とは横文字でいうとジョインです。会社法のことはよく知りませんがとにかくそういったものにジョインしました。

大学院をなし崩しに退学しておきながら趣味の分野である Mac アプリケーション開発で仕事をいただくことができありがたいやら人生何が起こるか分からないやらでひどくフワフワとした気分です。

フワフワしているのも考えてみれば当たり前のことで、それというのも大学の卒業式には当然ながら参加しなかったのでどうにも気分に区切りがつかず、またここ2年ほどは大学にほとんど行っていなかった代わりに同じ会社にアルバイトとして勤務しており、先週まで非正規雇用の立場だったものをハイ昨日で学生はおしまいハイ今日から正社員と言われても、なるほど「非正規雇用」から「非」が取れましたねといった程度の感慨しかありません。

まあいつまでも学生気分で浮ついているわけにもいきませんから、ここ半年でドカンと増えた体重をうまいこと重石にして地に足のついた大人になっていきたいと思います。あと痩せたいです。

ちなみに業務内容ですが Kobito というメモアプリの開発を担当しています。どうぞ使ってみてください。

Kobito

それからウィッシュリストを貼っておきますので、入社祝とか、退学見舞とか、ダイエット支援とか、何かそういった温かい気持ちを俺は今ものすごく欲しているという事情を斟酌していただけると助かります。よろしくお願いします。ビールも飲みましょう。

大学院を退学しました

2年と半年の間在籍した大学院を中途退学しました。

大学院というのは“大学の学部課程の上に設けられ[…]学術の理論および応用を教育研究し、文化の進展に寄与することを目的とするもの”(Wikipedia より)であって、中途退学というのは文化の進展に寄与できなかった愚か者がドロップアウトすることです。

愚かだなあ、文化の進展に寄与できないなあ、と思いながらいたずらにモラトリアムを延長しても得るものはないし各方面にご迷惑をかけどおしだしろくなことがありません。もっと早くに進退の決断をすべきでした。ずるずると中途半端なままここまで来てしまいました。

中途半端といえば2年半という期間もまことに中途半端です。2年目の終わりに修士論文をどうしても出せないぞウオオーンとのたうちまわった挙句、3年目の前半は休学して後半を論文執筆にあてることにしたのですが、休学中は節目の日にゆゆ式第1話を見られなくて慟哭したり終わりゆくゆゆ式を140文字にまとめたりするのに忙しく、また残りの期間もゆゆ式ファンブックの裏の文字を解読したものを原作者にRTされて舞い上がって首席を自称したりpixiv でフォローされて舞い上がってわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッと叫んだりとおおよそゆゆ式のことばかりを考えていた結果真っ白な TeX ファイルだけが後に残ったわけです。

折りしもコピペで博士論文を通した人が話題になっていて俺も汚い手を使っておけばよかったと歯噛みしたりもしましたが、まあ人生に汚点を残すよりは欠点に留めておいたほうがよかろうということで、都合7年間お世話になった学び舎を、大学の場合学び舎っていうんですかね、去ることにしたという次第でした。

今後の進路についてはなんとかなるんじゃないかと思います。ウィッシュリストを貼っておきますのでうまいことアレしていただけると立ち直りと社会復帰が早まります。よろしくお願いします。だいたい東京にいるのでビールもおごってください。重ねてお願い申し上げます。

関連エントリ:京都大学を休学します - 運河